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【福島大学におけるオープンサイエンスへの取組み】

 オープンサイエンスとは、明確な定義はありませんが、オープンアクセスと研究データのオープン化を含む概念とされています。オープンアクセスが進むことにより、あらゆるユーザーが研究成果を広く利用可能となり、その結果、研究者の所属機関、専門分野、国境を越えた新たな協働による知の創出を加速し、新たな価値を生み出していくことが可能となります。また、オープンデータが進むことで、社会に対する研究プロセスの透明化や研究成果の幅広い活用が図られることが期待されています。近年、こうしたオープンサイエンスの概念が世界的に急速な広がりを見せており、オープンイノベーションの重要な基盤としても注目されています。
 福島大学では、オープンサイエンスを促進する観点から、論文のオープンアクセス化や研究データの管理・公開について、基本的な考え方を定めています。


1.福島大学研究データ管理・公開ポリシー

 福島大学は2023年12月20日に「福島大学研究データ管理・公開ポリシー」を策定しました
 これは、福島大学の研究者が研究活動によって得られた研究データの適切な管理・公開および利活用を促進するとともに、研究の健全性と公正性を確保し、さらなる学問研究の発展と社会への還元を進めることを目的とした基本方針を示すものです。
 また「福島大学研究データ管理・公開ポリシー解説」では、ポリシー本文に沿って、定義や考え方などの解説を加えています。


【担当】研究・地域連携課
    kyoudo[at]adb.fukushima-u.ac.jp



2.研究データの保存・管理

 研究データの保存・管理は、「福島大学研究データ管理・公開ポリシー」に基づき、法令、契約、福島大学の規程等及び各研究分野において要求される倫理的要件等の範囲内において研究者が決定することができます。
 研究データの保存方法は、これまでご利用の保存方法に加え、保存先の選択肢の一つとして下記の「GakuNin RDM」の使用が可能です。

研究データの管理基盤(GakuNin RDM)

 「GakuNin RDM」とは、国立情報学研究所(NII)が提供している研究データ管理サービスです。
 「GakuNin RDM」は研究プロジェクト実施中に、個人の研究者あるいは研究グループが研究データや関連の資料を管理するために使用することができます。既存のストレージや研究ソフトウェアと連携し、クローズドな空間で、研究プロジェクトに関わるファイルのバージョン管理や、メンバー内でのアクセスコントロールができます。研究公正への対応としての研究証跡を記録する機能や、ファイルを保存する機能を有します。
 すでに、本学のアカウントを持つ研究者の方々が利用できるようになっています。WEBブラウザから本サービスを利用することができ、学外からも本サービスを利用して研究データの管理が可能です。


【担当】情報基盤センター
    ipc-office[at]adb.fukushima-u.ac.jp



3.研究データの公開

 世界におけるオープンサイエンスの潮流や国際的な動向(FAIR 原則※)等を踏まえつつ、本学ではオープン・アンド・クローズ戦略に基づき公開可能な研究データを可能な限り公開することとしています。

福島大学オープンアクセス方針

 福島大学は2023年1月16日に「福島大学オープンアクセス方針」を策定しました。
 これは、福島大学の研究成果を広く学内外に公開することにより、学術研究のさらなる発展に寄与するとともに、その成果を社会に還元することを目的としています。
 なお、本方針により公表論文の公開が義務化されています。機関リポジトリ(FUKURO_フクロウ_)では、紀要論文や科研費報告書だけでなく、公開可能なものであれば、外部投稿論文を含む様々な教育研究成果物を公開することができます。



 研究データの公開基盤として、機関リポジトリ(FUKURO_フクロウ_)を整備しています。
 機関リポジトリ(FUKURO_フクロウ_)では、研究データに永続的識別子(URI)を付与し、関連する論文のDOIにリンクさせて公開することができます。識別子や関連論文の情報があることで、データが活用されやすくなります。


【担当】フクニチャージ図書館 情報管理係(リポジトリ担当)
    irinfo[at]lib.fukushima-u.ac.jp



研究データ公開の際の留意点

 研究データの公開方法、公開範囲、公開条件等については、研究者自身が決定することができます。
 ただし、契約等において別段の定めがある場合は、その条件に従う必要があります。
 例えば以下のような研究データについては公開できません

  • 個人情報、著作物など、法的に保護される研究データ
  • 機密保持等の観点から公開に制限がある研究データ
  • 契約によって制限が課された研究データ
  • 安全保障輸出管理の対象になっている研究データ
  • 倫理的要件等から公開に適しない研究データ
  • 公開により第三者の利益を害する恐れがある研究データ  等

 研究データの公開に当たっては、FAIR 原則(※)に則ることが望ましい。

    ※FAIR 原則
  • Findable:発見可能性(見つけられる)
  • Accessible:アクセス可能性(アクセスできる)
  • Interoperable:相互運用可能性(相互運用できる)
  • Re-usable:再利用可能性(再利用できる)
 FAIR原則は現在オープンサイエンス推進にあたり、最低限でありながら広範囲に通用する原則として広く承認されています。

【担当】研究・地域連携課
    kyoudo[at]adb.fukushima-u.ac.jp



参考リンク集(外部リンク)